十人十色のファッションを楽しめる
個性派揃いのトラックパンツ
NEPENTHES(ネペンテス)の代表兼デザイナーの清水慶三氏によって、1995年に誕生した「NEEDLES(ニードルズ)」。
清水氏はかつて、渋谷のセレクトショップ「REDWOOD」の初代店長として、80年代当時の日本ではまだ馴染みのなかったRED WING(レッドウィング)、Champion(チャンピオン)、NIKE(ナイキ)のエアジョーダン、Reebok(リーボック)のスニーカーなどをいち早くセレクトし、ファッションとして提案。
その持ち前の探究心と行動力で常にファッション業界を牽引してきた人物だ。
NEEDLESというブランド名は、“Need-less”を語源とし、“必要以上のものはいらない”という意味が込められている。
ワーク、アメカジ、ネイティブのスタイルを融合させた他には無い独特なデザインと、トレンドに左右されない芯のブレないブランドスタイルを創業以来提案し続けている。
著名人の愛用者も国内外問わず多く、海外では世界的ラッパーのASAP Rocky(エイサップ・ロッキー)やBTSのJUNG KOOK(ジョングク)。
国内では自身も公言するほどネペンテスブランドをこよなく愛する俳優の滝藤賢一、シンガーソングライターのあいみょんなど、錚々たる顔ぶれである。
NEEDLESを代表するアイテムであるトラックパンツ。
伸縮性や通気性に富んだポリエステルジャージー素材を使用した快適性に優れた一着。
独特の配色や刺繍デザインなど、一般的なスポーツウェアとは一線を画した華やかなファッション性が魅力だ。
かく言う僕もその魅力に取り憑かれたうちの一人である。
理由はとにかくラクで一回穿くと癖になってしまうから。
コットンのパンツやデニムみたいに繰り返し穿いても膝が出て形が崩れることもないし、生地の表面も痛みにくい。
洗ってもすぐに乾く。なので、見た目的にも不潔な感じにうつらない。
スラックスのようなセンタークリースを入れたデザイン性と素材特有のドレープ感はジャージながらどこか品を感じる佇まい。
今ではカラーや柄違いで10本以上所有するほど愛用している。
2017年シーズンから登場し、毎シーズン人気の高いジャガード素材モデルのトラックパンツはサイドラインが付いたモデルと比べ、クラシカルな総柄でよりインパクトを感じるアイテム。
きっかけは70年代のアメリカのファッションスタイルで日本では一部の若者の間で流行った「ニュートラ」というスタイル。
テーラードジャケットに総柄のジャガード素材で作ったLポケットのフレアパンツを合わせる、ニュートラ定番のスタイルがずっと好きだったという清水氏がその雰囲気をトラックスーツに落とし込んだのだ。
ジャガードの柄を最大限に引き立たせるため、サイドラインはあえて省いたデザイン。
もはやジャージというよりスラックスに近いが、元々の出自を考えると納得である。
今シーズンの柄は全4種類。
一見するとちょっと尖っていて、手を出すのに勇気がいるように感じるが穿いてみると思いのほか合わせやすい。
革靴やジャケットとも相性が抜群に良いので、トラックパンツといえどもその自由度は非常に高い。
きっとコーディネートを考えるのが毎回楽しくなるはず。
シルエットは最もスタンダードなストレート。
細すぎず、太すぎずの絶妙なシルエットはどんなスタイルにも好相性。
ウエストはコードで調整が出来るので、ジャストで合わせてもいいし、少しルーズに穿いてもOK。
毎シーズン、トラックパンツをどうするかを決めてから他のアイテムを考えるというほどにコレクションの軸であり、NEEDLESを象徴するアイテム。
それぞれの着こなしで存分にファッションを楽しんでほしい。