LVC 1944 501 JEANS|1944年モデル 501 ジーンズ リジッド

資材統制下の時代が生んだ、大戦モデル。

Levi’s Vintage Clothing（リーバイス ヴィンテージ クロージング）は、リーバイ・ストラウス社のアーカイブをもとに過去の名作を再現するライン。
1890年代の「501」から1950~60年代のワークウェアやカウンターカルチャーを象徴するアイテムまで、当時の仕様や素材を徹底的に研究し、リアリティを現代に蘇らせている。
リーバイスが歩んできたアメリカンワークウェアの歴史を、今に体感できるコレクションだ。

1944年モデルの501は第二次世界大戦下に生まれた特別な一本。
物資統制による資材節約の要請を受け、従来の仕様から多くのディテールが省略された。
ウォッチポケットのリベットやクロッチリベット、バックウエストのシンチバックは姿を消し、バックポケットの補強リベットも廃止。
さらにアーキュエイトステッチは糸ではなく白いペイントで代用され、簡略化の象徴となった。

フライボタンには刻印のない鉄製の月桂樹ボタンが使われ、戦時期ならではの表情を備えている。
革パッチには「S501XX」と印字され、Sは Simplified（簡略化された） を意味した。

ポケットのスレーキには当時の残反利用を反映し、ストライプ柄の生地を採用。
実物の大戦モデルではフランネルやヘリンボーンなど多様な布が流用されており、その背景を象徴するディテールとして現代に蘇っている。

生地は日本・カイハラ社が織り上げたセルビッジデニム。
整理加工は毛焼き処理のみに留め、毛羽のない濃紺ピュアインディゴで染め上げた生地は、穿き込むほどに戦時モデル特有の粗野な表情を育てていく。

シルエットはワタリをやや絞りつつ股上は深め。
1930年代のゆったりとしたラインから、戦後の完成形である1947年モデルへと移行していく過渡期の姿を体現している。

1944年モデルは資材統制が生んだ501として、ジーンズ史に刻まれる大戦モデルである。