歪みと捻れをデザインへと昇華する。
現代的で新しいセカンド。
日本生まれのジーンズメーカーEDWINが2025年春夏シーズンから始動させた新プロジェクト「SKEWed(スキュー)」。
名称はデニム特有のねじれを解消する「スキュー加工」と「EDWIN」を掛け合わせたものだ。
スキュー加工とは、綾織りによる経糸の引っ張りで生じる斜行(ねじれ)を抑えるため、生地の段階であらかじめねじりを加える技術のこと。
これにより、立体的で存在感のあるシルエットが生まれる。
古着屋で見かける1960年代以前のヴィンテージデニムに裾へかけてのねじれが多いのは、この加工が一般的になる前の時代の産物である。
SKEWedでは、日本を代表する老舗ブランドEDWINのバックグラウンドを基盤にしつつ、本体では形にできない自由なアイデアやアプローチを実験。
某三大デニムブランドのディテールを参照しながらも、独自の解釈を通して新しいプロダクトを生み出していく。
1950年代の507XXを起点にしながら、そのままなぞるのではなく、あくまでSKEWedの視点で再構築した一着。
ヴィンテージへの敬意を土台に据えつつ、解釈は現代的に更新している。
まず特筆すべきは、生地だ。
採用されているのは、EDWIN 505シリーズで使用されるセルビッジデニム。
長年にわたり蓄積されたノウハウを背景に持つ、いわばエドウィンの伝統的基盤ともいえるファブリックである。
経糸は、茶系硫化染料による下染めの上からインディゴを重ねたサルファボトム。
緯糸も同様に、茶系硫化染料で染色されている。
これは長年保管されたデッドストックデニムが大気中の酸素に触れることで、綿がわずかに黄変した雰囲気を再現するための設計だ。
単なる色味の演出ではなく、経年変化までを視野に入れた仕様である。
さらに、このジャケットの核心にあるのがスキュー加工、いわゆるネジレ加工。
着用と洗濯を繰り返すなかで生じる自然な歪みや捻れ。
その偶発的な変化を意図的に設計へと落とし込んでいる。
フロントやアームに現れる微細なズレが、均整の取れたヴィンテージとは異なる新たな表情を生み出す。
バックスタイルは、スプリットバック、通称Tバック仕様。
当時、サイズ46以上で生地幅が足りず、背面中央に接ぎを入れて対応したディテールを踏襲している。
ただし、単なるサイズ都合の再現ではない。
視覚的な縦のラインを強調し、ボックス気味のシルエットに立体的な奥行きを与える設計として機能している。
シルエットは、ヴィンテージのタイトなバランスとは異なる、ボクシーでややスーパーサイズ寄りの設計。
肩幅と身幅にゆとりを持たせつつ、着丈は過度に伸ばさない。
結果として、レイヤードにも対応しながら、セカンド特有の短丈バランスは崩さない絶妙な塩梅に仕上げられている。
フロントのフラップ付き胸ポケットや裾のアジャスター、各部のステッチワークといった基本構造は王道を踏襲。
しかしそれらは懐古ではなく、歪みと余白を前提とした現代的再構成のパーツとして機能している。
エドウィンの伝統的ファブリックを土台にしながら、狙いは別にある。
スキュー加工とTバックを軸に、セカンドの文脈を現代のバランスへと組み替えた。
その設計思想こそが、このジャケットの本質だ。
ヴィンテージでもない。レプリカでもない。
歪みをデザインに昇華した、SKEWedの現在地を示す一着である。