バックパックはここまで進化した
正直どこのブランドのどれもこれもクオリティもデザインも価格帯も似たり寄ったりのバッグパック。
このMYSTERY RANCHはそれらのモノとは明らかに違います。
ミステリーランチファンならぜひとも所有しておきたいのが、「フューチュラヨークシステム」を搭載したモデル。
創始者であるデイナ・グリーソンの発明の1つでもあるこのシステムは、バックパックの背面長を無段階で調整することができる。
それはまるでオーダーメイド。
実際に背負ってみると、その違いは歴然。
ショップではパックの中に重たそうな雑誌を詰められるだけ詰めて実際に体験してもらっているのだけど、コレがとってもおもしろい！
実際に手に持った時にはものすごく重たいのに、背負うと嘘みたいに軽く感じるのだ。
今まで試してもらった方、全員がその差に驚いたほど。
もちろん、背面長を無段階調整できるだけではない。
特殊なフレームは背中のカーブに沿って崩れないほどしっかりしているのに、ねじる動きにはしなやかについていく。
だから、歩いている時もフィット感は抜群。
このテラフレームもそんなフューチュラヨークを搭載したバックパックの中でも特に大容量で汎用性の高いモデル。
使用したフレームはガイドライトMTフレーム。
このフレームがスゴイ。
ハンティングシリーズのために1年以上の試行錯誤を重ね完成したこのフレームは、超重量級の荷物の運搬を容易にする。
まず注目したいのがオーバーロード機能。
これは横から見たときにパックとフレームの間に空間を作り、荷物を詰め込むというビックリシステム。
サイドのベルトは無段階に調整することができるから、荷物の大きさに合わせて空間を調整することができる。
例えばキャンプやアウトドアで使う時には、大きめのポーチやアウター、チェアやギア、テントを。
音楽好きなら大きめの楽器だって持ち運ぶことができる。
その可能性は無限大！
驚きなのは、オーバーロードしている状態でも背負い心地が安定していること。
ショルダーストラップとパックを連結するストラップの位置や角度、隅々まで計算されつくしているからこそ成せる技なのだ。
胸で固定するチェストストラップも絞めこむ位置を調整することができる。
そして、荷重の全てを支える軽く強靭なカーボンフレーム。
従来のガイドライトフレームの改良版であるガイドライトMTフレームは、荷重を分散し力を効率よく伝達する。
肩ではなく腰でしっかりと荷重を支えるから、重たい荷物も楽に持ち運ぶことが出来るのだ。
その上で絶対的に必要なのが頑強なウエストベルト。
ブレたり痛くなったりしない様に、またしっかりとホールドするためにはクッション性も必要だ。
このウエストベルトは一目でガチさが伝わる。
通気性の良いメッシュ素材のクッションは厚さ2cmを超える。
しっかりと絞めこんだ時にもクッション性を保つ、硬めのクッションだ。
驚いたのは、それぞれの骨盤の形に合わせて角度を無段階調整できること。
このパックの場合「腰で荷重を支えること」が目的ではない。
「骨盤上部に正しく荷重を分散させること」が目的なのだ。
既に完成形だと思っていたパックの形がここまで発展していることに驚きを隠せない。
ベルトの調整は両サイドからバックルで絞めこむ方式。
左右均等に絞めこむことが出来るから、中心軸もブレにくい。
かの二宮金次郎もこのテラフレームがあれば、荷物の重さを感じることなく勉学に励むことができただろう。
フロントはもちろん、一目でミステリーランチのそれと分かる「テクニカルY字ジップ」の意匠。
抜群に心地よく、並外れた耐久性で圧倒的な違いを感じるクオリティ。
簡単でスムーズなのに、パック自体がガバっと開く仕組み。
パック上部には2つのジッパー付きポケット。
フロント側の小さなポケットは、アクセスもしやすく小物の収納に最適。
背面側のポケットは大きめで、ハイドレーションチューブを通す穴も付いている。
水筒を入れておいても良いし、場合によってはここからイヤホンコードを通したりとにかく汎用性が高い。
メインコンパートメントは背面側にスリーブを1つ配置したシンプルなデザイン。
シンプルだからこそ、大きな荷物もスムーズに出し入れすることができる。
パック両サイドにはボトルポケット。
ストレッチ素材でできているから、色々な太さのものをホールドしながら持ち運ぶことができる。
パックフロントの縦方向に2本配置しているモールステムにはトレッキングポールやアイスアックスホルダーとして使うこともできる。
そして横方向に2本配置しているコンプレッションベルトにはマットや三脚、スノーギアの取り付けが可能だ。
さらにボトムにも2本のコンプレッションベルトが付属しているのだが、ここにももちろん荷物を括り付けることができる。
しかもこのボトム、外側の生地をたるませた状態で2重底になっているから、生地が張ることが無く破れにくい。
バッグ界の天才、デイナ・グリーソンが生み出すパックには緻密に計算された機能が散りばめられている。
それらは全て「これ以上のクオリティはない」究極とまで言われるバッグを目指しているから。
そのためには用いる素材やパーツの一つ、例え量産に向かない手間の掛かる工程であっても一切の妥協を許さない。
今もなお米軍にバッグを支給しているミステリーランチ。
独自の厳しい基準は米軍のそれよりもはるかに高い。
その使い心地はもう、最高以外の何物でもないのだ。
僕は普段からこんな風に商品の説明文を書いている。
でもこんなに長い文章を書くことは多くはない。
お客様にはもっと簡単に説明した方が良いと思うのだけど、ついつい商品に書かされてしまった。
書かずにはいられないギミックがてんこ盛りなのだ。
拙い文章ではあるのだが、その魅力を少しでもお伝えできていれば良いなと思う。
