クラシカルなミニサイズ
原宿の小さなマンションで誕生したLENO(リノ)。
LENOのものづくりはビンテージを元に製造時の歴史や背景を紐解くところから始まる。
生産の過程や素材の風合い、なぜそのようなデザインになったのか通常ではありえないくらい深く掘り下げている。
でも、ビンテージのアイディアソースをそのまま表現しているかというと、少し違う。
一度、デザイン自体を紐解いてからLENOというフィルターを通して再構築されているのだが、これが秀逸。
ビンテージがベースでありながらどこかモダンで新しい。
使用している素材も妥協を許さず、時間をかけた極上のものばかり。
そのデザインが注目されがちだけど、縫製から使用している素材、原料を見るとさらに本気度が伝わってくる。
このOUTDOOR PRODUCTS(アウトドアプロダクツ)のリュックもリノらしさに溢れている。
アウトドアプロダクツと言えば、1973年にアメリカ・ロサンゼルスで操業したアウトドアブランド。
コンセプトは「お客様の要望を最優先に」。
その製品はスポーツ用品店の新たなラインナップとして受け入れられ、僅か1年で全米規模のマーケットを持つ企業へと成長する。
現在では60か国以上の国で展開されているのだが、もちろん日本もその内の1つ。
そう、こんな前置きなど要らないくらい誰もが知る身近なブランドだ。
リノ×アウトドアプロダクツと聞いた時、あまり想像ができなかった。
なぜなら、アウトドアプロダクツのアイテムはシンプルなベストセラーだからだ。
つまり、シンプルゆえに選択肢が少なく、製品として完成に近いから手を加える必要もない。
派手なデザインで勝負しているブランドであれば、ただ単にデザインを載せれば良いだけだ。
でもリノの様に素材や質、着心地や機能性という土台を持つブランドにとってはとても難しいはず。
だけど、実際のデイパックを見たときに「これはリノとのコラボだからできたものだ」と感じた。
ベースになったのは1990年代のモデル。
それをまるでキッズサイズの様に再構築しているのが本作だ。
本体には耐久性と耐水性に優れたコーデュラナイロンを使用。
ミニサイズの本モデルにはよりザックリとした折地を使用している。
対してボトムはスエードというアウトドアらしいクラシカルな仕様。
もちろんキッズ用と言う訳ではないので、ショルダーストラップは大人が背負ってちょうど良いサイズ感に仕上がっている。
しかもこのストラップ、パックが小さいからその分、付いている位置の感覚が狭い。
だから2本をまとめてナナメ掛けにすることもできるのだ。
リュックのナナメ掛けなんて珍しいが、コレがめちゃくちゃカワイイ!
しかも、LENOのブランドタグの裏には"GOT EVERYTHING?"の文字が!
LENOのセンスが爆発した、シャレの効いた一品。
ぜひとも手に入れたい。