最高のバスクシャツ
1784年イングランドのリーミルズで創業したJOHN SMEDLEY(ジョンスメドレー)。
意外なことに設立当初は綿花の紡績と生地造りがメインでした。
ハイゲージニットの製造を開始したのは4代目のジョンが会長となった1888年。
当時最先端の紡績機と編み機を導入し、製造していました。
その製品は当時のイギリスでも飛びぬけてきめ細かく、美しいものでした。
それが世界中で愛される最高のニットウェアとして今に伝えられています。
現在では多くのハイゲージニットブランドがある中、その原点と言えるのがJOHN SMEDLEY。
イギリス国内ではバーバリーやマーガレットハウエル、国外ではコム デ ギャルソンやブルックスブラザーズなどの製品を生産しています。
使用されている素材はコットンの王様、SEA ISLAND COTTON(シーアイランドコットン)。
シルクの様な光沢とカシミアの様な肌触りを併せ持つ最高級天然素材。
綿花の紡績からスタートしたジョンスメドレーのファクトリーで染色されています。
この染色作業が厳格で、専門技術者が化学物質や洗濯、発汗、摩耗による影響において厳密な検査をするため各色に対するレシピを作成。
全ての検査をパスしたものだけが、承認された色となるんです。
ここまでジョンスメドレーが愛され続けているのは、その確かな製品づくりから。
生産に携わる職人の中には40年以上のキャリアを持つ人も多く、その技術力は圧倒的。
230年以上にわたり築かれた歴史背景に最高級の素材と技術力の融合が最高のニットウェアを生み出すのです。
今回、ムーンロイドが別注をお願いしたのがこのバスクシャツ。
バスクシャツと言えば、すぐに思い浮かぶのがガシっとした肉厚の生地のアレ。
ネックはもちろんボートネック。
このジョンスメドレーのバスクシャツはそんな常識をくるりと覆す。
使用している生地はもちろんシーアイランドコットン。
それも30G。
ジョンスメドレーの中でも細番手の生地の肌触りは格別。
まるでシルクの様に肌をスルスルと滑っていく。
そして、何と言っても艶。
コットンでありながら、上品に艶めく繊細な生地は高級感たっぷり。
こういう生地であれば、普通は高級感のあるフォーマルなアイテムを作りたくなる。
その方が簡単に高級感を演出できるからだ。
でも、よく考えてみて欲しい。
フォーマルなアイテムを着るシーンは、いったいどれだけあるだろうか。
毎日の様に着るアイテムだからこそ、質感や作りが大切なのだ。
このバスクシャツはシーアイランドコットンが持つ良さを見事に落とし込んでいる。
上品な風格はそのままに、デニムパンツやチノパンなどカジュアルスタイルとも相性は抜群だ。
この着心地を気軽に楽しめるとは、なんて贅沢!!!
カラバリも豊富で、バスクシャツの定番カラーから差し色としても使えるビビッドカラーまで。
そんな中、ムーンロイドが別注したのがCLOUD(クラウド)。
ボディのホワイトに寄せた薄いグレーだ。
表現したかったのはバスクシャツの可能性。
ボーダーだけど、あえてコントラストを抑えることで無地の様な合わせやすさに。
柄ものが苦手な方でも気にすることなく、お楽しみいただけます。
しかもこのバスクシャツ、ナヴァル型。
フランス海軍のユニフォームがモチーフだ。
ジョンスメドレーはイギリス製だから、「もし」という歴史の妄想が進む。
ネックはクルーネックに近いボートネック。
この生地なら、1枚で着るだけでなくインナーとしても着回しがきく。
でも、ボートネックは上からシャツ等を重ねたときにもたついてしまう。
でも、この程よい空き具合なら、スッキリ着ることができる。
シルエットはバスクシャツらしくボックスタイプ。
丈感もほどよく、タックインしても楽しむことができる。
展示会で目にしたとき、すぐに一目ぼれしたこのバスクシャツ。
僕が知るバスクシャツの中で最も美しく、最も使い勝手がよく、最も着心地がよい。
ジョンスメドレー好きはもちろん、服好きなら見逃せない一着になりそう。