新たな挑戦
ふとした瞬間に奏でるhummingのように、記憶のなかに存在していたい。
そんなコンセプトから生まれたhum。
伝統的な技法を活かし、手作業によるジュエリーづくりにこだわりを持つ職人・貞清智宏。
豊かな感性で、オリジナリティあふれるデザインを提案するデザイナー・稲沼由香。
2人が生み出すジュエリーは1点1点アトリエで職人の手によってつくられている。
「記憶に残るジュエリー」をテーマに、品質の良さとデザインのバランスにこだわり、独自の世界観を築いている唯一無二のブランドだ。
私自身もhumの大ファンの1人。
ここぞという時に1つずつhumのジュエリーを集めてきた。
巷に溢れているジュエリーブランドの中で、なぜこんなにも惹きつけられるのか。
アパレルを生業とする私たちから見ると、小さなジュエリーはデザインを施すことができる面積や選択肢が極端に狭い。
だから、素材そのものの違いがダイレクトにジュエリーに伝わるものだと思っていた。
実際にジュエリーを見てもそれがどのブランドか答えられるものは多くはない。
ところがhumのジュエリーは違う。
特にアイコンを使用していなくても、humのデザインだということが一目で分かる。
それは使用する石や成型された金属のフォルムや色、それら全てが複雑に作用して生まれるものに他ならない。
まるで服をデザインするかの様に緻密に計算されたデザインが、精巧な技術でジュエリーとして完成しているのだ。
そしてそのデザインはモノ単体として練り上げられたものではない。
例えば使用する金属の色は身に着けた時の馴染みで、各パーツに使用する金属の種類は適した強度になる様に選定しているそう。
必ず身に着けたり、日常的に付け外したりするシーンが想定されている。
そんなhumの新たな挑戦。
DOVER STREET MARKET GINZA(ドーバーストリートマーケット 銀座)でローンチした“REFINE METAL COLLECTION(リファインメタルコレクション)”。
都市鉱山と呼ばれる、廃棄されたスマホや電化製品に含まれる金属。
そこから回収され、精錬された貴金属をhumでは"REFINE METAL(リファインメタル)"と呼んでいる。
錬金術が成功しない限り、地球上の金属は増えることはない。
限られた資源を、未来に紡いでいく。
そんなプロジェクトから生まれた作品が、このREFINE METAL COLLECTIONだ。
近年では当たり前になったサステナビリティなモノづくり。
構想からローンチまで2年以上の月日を必要としたこのコレクションは、ジュエリー業界においてその先駆けと言える。
先駆けだからこそ、それにかける想いも強い。
humが手掛けるからには、リファインメタルを使用しているというだけではない。
ベースとなるチェーンからデザインしているのだ。
それはまさに常識を覆すコレクション。
チェーンのコマ、1つ1つを手作業で丁寧に形成し組みあげている。
だから大量生産はできないけど、他の金属が混入することもない。
幸運の象徴とされるホースシューのような独特のシルエットが連なる様は、力強く、美しい。
高級感とボリューム感を併せ持つコマの隙間から、透ける肌。
まるで絵画のように首元を彩ってくれる。
質感は燻し加工により少しくすんだマットな仕上がり。
チェーンの凹凸に沿って陰影が生まれ、立体感が際立っている。
しかもこの燻し加工は少しずつ取れてきて、使うほどに輝きを増していく。
特に凸になっている部分は磨かれやすいから、より表情豊かに育っていく。
この増していく輝きをエイジングとして楽しむのも、またイイ。
humのジュエリーはシンプルだけど、humにしか出せない特別なデザインばかり。
毎日身に着けるものだから、そのブランドのあり方や質、デザイン全てにこだわりたい。
そんな欲を満たしてくれるツウ好みのがhumをどうぞお楽しみください。