ビンテージ×ビンテージ
1994年パリにてピエール氏によってスタート「ANATOMICA(アナトミカ) PARIS」。
ピエール氏は現代のセレクトショップの源となったショップ「GLOBE」とその延長上に「HEMISPHERE」を作った後に、
これまでの既成概念を打ち破りスタートしたのが、このANATOMICA。
その後、2008年にピエール氏と日本のアパレル界を代表する寺本氏が運命の出会いを果たす。
きっかけは、寺本氏がデザインしたサイドシームの無いデニムパンツ。
そのデニムパンツにピエール氏が感銘を受け、以降は寺本氏がデザインを、ピエール氏がディレクションを担当することに。
固定概念にとらわれず、フィッティングを重要視した普遍的で上質なものを作るために試着を繰り返し、
ミリ単位で修正を加え、生まれたのがANATOMICAのスタイル。
そこから生まれるのは、めまぐるしく変化するトレンドを重視したファッションとは異なる、何年にもわたってその価値を実感できるアイテムたち。
そんなANATOMICAで最も人気の高いアイテムは何なのか。
トレンドに左右されない、上質な素材と計算されたが魅力のコートも。
定番として根付いているカットソーも。
そのあまりの人気にすぐに完売状態になってしまうアイテム。
でも実は、1番人気のアイテムはボトムスだという。
このチノ2も世界で有数のビンテージコレクターである寺本氏の知恵がふんだんに盛り込まれている。
シルエットのベースになったのは1960年代にアメリカ軍に支給されていたチノトラウザーズ。
太すぎず、スタンダードなサイズ感は合わせるものを選ばない。
大事なのは1960年代のものはあくまでもシルエットのベースであるということ。
通常であれば、ビンテージのパンツを復刻したり少しだけアップデートさせたりすることが多いがコレは違う。
ディテールは1940年代にアメリカ軍に支給されていたチノトラウザーズをベースにしているのだ。
このビンテージもの同士のかけ合わせが面白い。
フロントはボタンフライ。
バッグポケットは両玉縁のボタンスルーポケット。
使用している生地は高密度でコシがあり、光沢感のある上質なオリジナルチノクロス。
細番手の糸を高密度に撚り合わせた丈夫な生地だ。
ツルツルと滑らかな肌触りで、高級感に溢れている。
見る人が見ればすぐに分かる、拘りのチノ2。
一見してシンプルだから、どんなコーディネートにも馴染むというところも嬉しい。
アナトミカのボトムが絶大な人気を誇る理由。
それは、緻密な計算によるもの。
一見、どこにでもあるパンツの様でも、見えないところまでしっかりと作り込まれたディテール。
穿くと誰もが驚くほど美しいシルエット。
それでいながらラフに穿ける生地。
このギャップこそが魅力なんです。