無骨な上品さと道具としてのギミックが織りなすマリアージュ
"Most suitable tool for body.”
"Design is a means to an end, not the end itself.”
Clothes are not only a costume but also a tool as a daily wear.
Design for tool, Tool for purpose.
Purpose turns to style, and then style should be a fashion
「身体に最も近い道具」「デザインは目的ではなく手段」
日常着である以上、服は衣装ではなく道具である。
道具の為にデザインがあり、目的の為に道具が存在する。
目的がスタイルになり、スタイルがファッションであるべきである。
そんなコンセプトを掲げるmeanswhileとアメリカはポートランド州オレゴンで創業し、現在もその質実剛健な靴作りで多くのファンを魅了し続けているDanner(ダナー)のコラボレーションシューズが当店でもついに入荷。
ミーンズワイルとダナーのコラボシューズは今季実は二度目。一度目はダッドな雰囲気が魅力のマウンテンローカットシューズ「マウンテン リッジロー」をアレンジしたモデルが登場したが、今回はこれからの季節に気軽に合わせたくなるグルカサンダルが登場。
ベースにしたのはダナーのレザーサンダルシリーズ「Pittock Gurukha」
ピトックグルカはダナーの本拠地オレゴン州ポートランドに建つ、歴史的建造物ピトック邸からその名が付けられている。ピトック邸は20世紀初頭に建設された歴史的な大豪邸。丘の上に建てられていることもあり、庭からは眼下に市街地の景観を楽しめる。また、美術品や生活道具、家具、写真を通して、ポートランドのみならずオレゴン州そしてアメリカでの19世紀の生活について学ぶことができるため、現在では観光スポットとしても人気を博している。
そんな歴史的建造物の名を冠しているだけあって、このモデルはクラシックで落ち着いたデザインと伝統的な製法が魅力のレザーサンダルだ。
ダナーというと定番モデルである「ダナーライト」や「マウンテンライト」のようなアメリカらしいタフで頑丈なヘビーデューティというイメージが強いが、これは当店でも取り扱いのあるパラブーツのパシフィックのような上品な雰囲気をも感じさせる。
ピトックグルカが持つ良さはリスペクトしつつも、ミーンズワイルらしいギミックを加えて、よりタウンで履きやすく昇華された一足に仕上がったのが今回の「Danner Pittock Gurukha」だ。
ディティールを見ていくと、グルカサンダルの編み込みのデザインはそのままだが、注目すべきはアッパー部分。
通常は甲部分に付けられたベルトストラップでフィッティング調整を行う仕様だが、これはミーンズワイルのアノラックジャケット等で見られる、あのジグザグのウェービングテープ構造を採用している。
これにより、ジャケット同様にワンタッチでアッパー部分の細かなフィッティング調整が可能に。
グルカみたいなレザーサンダルって個人的に気軽に履くにはちょっと気が進まなかったりもするけど、これだとスポサンのように気軽に履けるからサッと履いて外に出かけたくなる。スポーティーさも出ないので色々なスタイルに合わせやすいのも嬉しい。
アッパー部分には独特のシボ感を持った牛革を採用し、ライニングには吸水性が高く摩耗に強い豚革を採用している。まるでオールレザーのシューズを履いているとは思えないほど、足あたりも柔らかいので素足で履いてもとても気持ちいい。
アウトソール部分は軽量かつ、柔軟性と屈曲性に優れたVibram社の#9105を採用。知っている人も多いかもしれないが、実はアメリカのシューズブランドでビブラムソールを初めて採用したのはダナーである。ビブラムソールを熟知しまくっているメーカーが採用するソールなのだから実用性については言わずもがな。もちろん他のダナーシューズ同様に「ステッチダウン製法」によって作られているため、アウトソールが減ってきたらオールソールも可能だ。
そしてフットベッドの下には専用のインソールクッションを配しているため、アウトソールの性能も相まって長時間の着用でも疲れ知らず。
これまで何度も手を取り合ってきたブランド同士だからこそ、互いをリスペクトし合い、それぞれの良さを生かしたモノづくりができるのだと思う。
今までスポサンのようなサンダルしか履いてこなかった人にもおすすめしたい、気軽さと上質さを併せ持った粋なグルカサンダルだ。