モーターサイクルファッションを日常着へ
ネペンテスとスタイリスト服部昌孝が創る新しい景色
NEEDLES（ニードルズ）、ENGINEERED GARMENTS（エンジニアドガーメンツ）、SOUTH2 WEST8（サウスツーウエストエイト）、AiE（エーアイイー）、RHODOLIRION（ロドリリオン）と5つのブランドを抱える NEPENTHES（ネペンテス）。
個々のブランドで少しずつ毛色は異なるものの、ジャンルや時代に左右されない独自のテキスタイルを貫いている。
その姿勢はこれまで業界人のみならず、多くのファッション好きをも唸らせてきた。
そんなネペンテスが今回新たなブランドを立ち上げる。
ブランド名は『SHIDEN（紫電）』。
ディレクションを担当するのは言わずと知れたファッションスタイリスト服部昌孝氏。
彼がスタイリストを担当するアーティストや俳優は数知れず。
あいみょん、Awich、RADWIMPS、米津玄師などなど。
その名を聞くとなんとなく彼ら、彼女らのスタイルが目に浮かぶが、そのイメージを形作ったのが服部氏なのだ。
音楽やアートを媒介にファッションを用いて文化を作る、クリエイターとしての側面も持ち合わせている稀有なスタイリストだと言える。
デザイナーはご存知、ネペンテス代表の清水慶三氏。
その清水氏がクラシックモーターサイクル好きと言うことを知っていた服部氏がバイクウェアを作ってほしいと依頼したのが当ブランドの始まりだ。
ブランドコンセプトは「バイクと向き合って、ファッションを楽しむ」。
ハーレー乗りも国産単車乗りも、むしろバイクに乗っていなくても良い。
モーターサイクルファッションを気軽に日常着に落とし込んだ唯一無二の世界観を創り出している。
非常にインパクトのある刺繍グラフィックが施されたキャップはレーシングチームが着用するキャップがモチーフ。
よくレーシングスーツに身を纏ったレーサーが表彰式で被っていたり、ピットで整備を担当する人が被っていたりするアレである。
見た目はまんまそれっぽい面構え。
でも実は紫電らしいユーモアが随所に表現されている。
ツバ部分の刺繍には『UNCATCHABLE』＝「捕まえられない」の文字と月桂樹のデザイン。
レースという強さや速さが物を言う世界の光景が広がってくる。
ちなみに「MABOROSHI」＝幻という文字も刺繍されているのだが、これは実はブランド名を決める際に最後まで残った案だったそう。
こういうアイデアをグラフィックとしてしっかり活かしているのが面白い。
左側面には『TEAM SHIDEN RACING』の文字とチェッカーフラッグ。
これを被る自分も紫電というチームの一員なんだと思わせられる。
そして、右側面には『FOREVER TWO WHEELS』＝「二輪は永遠に」
というバイカーズスラングの文字。
バイク乗りの気持ちを代弁するような言葉が最高にクールだ。
被りは深めでアジャスターでサイズ調整が可能。
後ろの二パネルはメッシュとなっているから、通気性も良く快適に被ることができる。
使用したコットンツイル生地は着用を重ね、洗いをかけていくことでクタッとした雰囲気のある表情へ育っていく。
スタイリングもその人の感覚でストリートスタイルに合わせたり、綺麗めなスタイルのハズしに使ったりと自由。
バイクに乗る人も乗らない人も気軽に楽しめる、まさにブランドコンセプト通りのアイテムである。
