懐かしくも今の時代には新鮮
ONEITA(オニータ)は、アメリカはニューヨーク州ユーティカにて生まれたブランド。
その歴史は古く、1893年に”ONEITA KNITTING MILLS NEW YORK”として当初はアンダーウェアの生産を行っていた。
次第にTシャツやスウェット、パーカーと範囲を拡大し、なんとアメリカ国内におけるTシャツ産業で4番目のシェアを誇るまでに成長を遂げた。
古着好きであれば、おそらく古着屋で一度は目にしたことがあるくらいにはメジャーな存在。
また、90年代にはSTUSSY(ステューシー)やA BATHING APE (ア ベイシング エイプ)などのボディとしても採用されていたため、裏原ブームを通ってきた世代には馴染み深いのではないだろうか。
1998年に本国の ONEITA INDUSTRIES,INCが倒産し、100年余りの歴史あるブランドに幕を下ろすこととなった。
しかし、現在では日本メーカーがライセンス契約を結んだことで再発足。
無骨なまでに追求したベーシック”THE GOOD OLD DAYS” =古き良きアメリカの薫りをコンセプトに掲げ、ベーシックスタイルの追求を目指している。
およそ8オンスの中厚地ながら、ガシッとした質感でケミカルウォッシュの独特の風合いが印象的なロンT。
ケミカルウォッシュといえば80年代のバブル期に大流行したストーンウォッシュの変形。
ブームが過ぎ去ったと思われたが、ここ数年の80年代~90年代リバイバルで密かに人気を集めているアイテムなのだ。
10年近く前のノームコアブームなどで無地でシンプルなモノが好まれるようになったが、ここ数年は正直食傷気味だった。
だからこそ、このウォッシュ特有の不規則でまだらなフェード感が新鮮。
一枚で着てもサマになりやすいし、インナーとしてもアクセントに使えて映えそうだ。
身幅が広め、かつ丈が短めのボックスシルエットは今っぽく、リラックスして気負わず着ることができる。
アメリカらしく丈夫なネックは洗濯を重ねてもヨレることが少ない。
サイドの縫い目に合わせて目立たないよう、さりげなく配置されたポケットも深さがあって使いやすい。
ブランドの根底にあるベーシックスタイルは活かしつつ、現代的なエッセンスも取り入れたオリジナリティを感じる一着である。