私史上No.1ヒップ、こだわりにノックアウト
1994年パリにてピエール氏によってスタート「ANATOMICA(アナトミカ) PARIS」。
ピエール氏は現代のセレクトショップの源となったショップ「GLOBE」とその延長上に「HEMISPHERE」を作った後に、
これまでの既成概念を打ち破りスタートしたのが、このANATOMICA。
その後、2008年にピエール氏と日本のアパレル界を代表する寺本氏が運命の出会いを果たす。
きっかけは、寺本氏がデザインしたサイドシームの無いデニムパンツ。
そのデニムパンツにピエール氏が感銘を受け、以降は寺本氏がデザインを、ピエール氏がディレクションを担当することに。
固定概念にとらわれず、フィッティングを重要視した普遍的で上質なものを作るために試着を繰り返し、
ミリ単位で修正を加え、生まれたのがANATOMICAのスタイル。
そこから生まれるのは、めまぐるしく変化するトレンドを重視したファッションとは異なる、何年にもわたってその価値を実感できるアイテムたち。
そんなANATOMICAで絶大な人気を誇るレディースモデルのデニムパンツがあります。
それが、アメリカが誇る女優、マリリン・モンローを由来とするMARILYN(マリリン)シリーズ。
そのMARILYNの中でテーパードをガッツリと効かせた美シルエットモデルが、このMARILYN 2です。
このMARILYN 2はMARILYN 1ほどではないものの、股上が少し深め。
ヒップラインは丸みを帯びていて、ヒップに沿うようなシルエット。
実際に穿いてみると、ヒップラインが立体的でキレイに仕上がる。
正直、ヒップの立体感は私史上No.1でした。
それもそのはず、なんと両サイドのバックポケットの奥には隠しタックが入っているというこだわり様!
さらに、太ももから裾にかけてガッツリとテーパードが入っています。
この裾に向かうに連れて細くなっていくシルエットが、美しい女性の脚そのものの様!
穿くと見事にフィットしてくれる。これが、たまらなく良いんです。
ディテールは、たたいているリベット、大きめの特徴的なバックポケットにペケカン。
MARILYN 1とは異なり、MARILYN 2はLEEをモチーフとしているのがおもしろい。
オンスはしっかりと肉厚の13オンス。
もちろん、赤耳付きセルビッチデニム。
現行のMARILYN 2はMARILYN 1と同じ11オンスに変更されているのですが、ビンテージに忠実なのはこの13オンスの方。
それだけではありません。
ここまでこだわるとは!と思わず唸ってしまうのが右バックポケットに仕込まれたユニオンチケット。
ユニオンチケットとは、ポケットの内側に2本のステッチで縫製されたタグのこと。
これは当時、労働組合などに加盟していることを証明するためのチケットを再現したものなんです。
しかも、ユニオンチケットにプリントされているナンバーがモデルごとに違う!!!
なんて細かいんでしょう!
使用しているデニム地も、表面を火で焼く毛焼きを行ったもの。
毛羽立ちを抑えた滑らかな仕上がりです。
数々のビンテージの名品を忠実に再現する技術力を研究心を併せ持つANATOMICAらしく、
チェーンステッチや手書きのサイズ表記、丁寧な縫製がにじみ出る細やかなピッチ。
これがレディースのデニムパンツだなんて!!!
ただ単にファッションブランドが作ったシルエットの良いデニムパンツではありません。
これは、ビンテージのLEEのデニムパンツをベースに女性のためにブラッシュアップさせた究極とも呼べるデニムパンツ。
見えないところまで、これほどこだわる必要があるのだろうか・・・。
ディテールの積み重ねが、その商品のオーラというか風格を決めるから、そんな風に感じるプロは恐らくいないと思います。
常に品薄状態が続いているアイテムなので、マイサイズに出会えたらラッキーなアイテムです。