多くのファンが待ち望んだベックマン
さらなる進化を遂げ、いま堂々の復活を果たす!!
BECKMAN(ベックマン)はアイリッシュセッターと並んで、レッドウィングを代表するマスターピース。
レッドウィング社の草創期である20世紀初頭の優雅でクラシックなスタイルをイメージしたブーツであり、創業者のチャールズ・ベックマンにちなんで名付けられた。
2006年の誕生以降、瞬く間に大人気商品となったベックマンだが、COVID-19等による生産体制の影響やレッドウィング本社へのサイバーテロ攻撃などが重なり、やむなく生産を中止することに。
あの時買っていればな…と思っていた方々も多いことだろう。
生産中止後もファンを筆頭に人気は根強く、SNSや巷でも復活を熱望する声がよく聞かれていた。
そんなベックマンが復活するというだけでも超!超!大ニュースなのだが、ただでは終わらないのが今のレッドウィング。
これまでの良いところはそのままに、さらに履きやすく改良されたのが今作だ。
ディティールには、最初にベックマンを誕生させた開発チームの意見が多いに反映され、随所に改良が行われている。
同じアッパーをより解剖学的に考慮されたラストの上に重ね、レザーのヒールパッドの下にはクッション性の高いポロンフォームの薄い層を追加したことで、より快適なフィット感を実現。
アッパーに使用されたのはエクスカリバーレザー。これまでに使用されていたフェザーストーンから変更となっているが、漂う上品な艶感が決してベックマンらしさを損ねていない。
実はレザーが変更になることに一抹の不安を抱えていた僕。でもその心配も杞憂に終わった。
だって、これは間違いなく、あのベックマンなのだから。
レザーインソールは変わらず、アウトソールはフラットボックスと同じグロコード・メダリオンソールに。
ソールの返りがよく、歩きやすいだけでなく、グリップも効いてくれるので北海道のような雪の多い地域でも滑りにくく、年中安心して履くことができる。
また、ハトメ上部にもフラットボックス同様、スピードフックが採用された。
多少の慣れは必要だが、慣れてくればフック式の方が着脱が楽に感じてくるはず。
ベックマンの中で最も人気のカラーであったブラックチェリー。
履きこむほどに深みのあるバーガンディの色味に経年変化していく様子は実にエレガント。
さらに、ステッチはそれぞれのレザーにマッチするように変更されているため、高級感を感じさせつつ、お手入れ時にクリームで補色する際も着色を気にする必要がない。
色味の上品さを活かして小綺麗に履くのも良し、ガシガシ味を出してカジュアルに履くのも良し。
履く人によって十人十色の姿を見せてくれるのもレッドウィングの大きな魅力である。
ラストはかつてベックマンオックスフォードとベックマンチャッカのためだけに開発された専用ラストである224。
やや細身なDワイズではあるものの、それがかえってベックマンのシンプルでクラシカルなかっこよさを引き立てている。
多くの人が待ち望んでいたモデルの再登場だけにかなりの争奪戦が予想される。
一昔前のフラットボックスのようになってしまう前に早めに手に入れておくことをおすすめする。
レッドウィングの新たなマスターピースとして歴史に名を残す存在となるだろう。