ユーティリティに使える万能ジャケット
かつて、セレクトショップ「REDWOOD」でアメリカンスポーツウェア、ワークウェアをいち早くファッションとして提案したNEPENTHES(ネペンテス)の代表兼デザイナーの清水慶三氏によって、1995年に誕生した「NEEDLES(ニードルズ)」。
NEEDLESというブランド名は、ニードルという言葉の通り衣服を縫製する上で欠かせない「針」という意味も含まれているが、実は“Need-less”=“必要以上のものはいらない”というダブルミーニングの言葉だったりもする。
ワーク、アメカジ、ネイティブのスタイルを融合させた他には無い独特なデザインと、トレンドに左右されない芯のブレないブランドスタイルで発信し続けている。
著名人の愛用者も国内外問わず多く、海外では世界的ラッパーのASAP Rocky(エイサップ・ロッキー)やBTSのJUNG KOOK(ジョングク)。
国内では自身も公言するほどネペンテスブランドをこよなく愛する俳優の滝藤賢一、シンガーソングライターのあいみょんなどなど、錚々たる顔ぶれが揃う。
ブランドを代表するアイテムであり、毎シーズン人気の高いTrack Jacket(トラックジャケット)。
伸縮性や通気性に富んだポリエステルジャージー素材を使用した一着はとにかく快適でラク。
独特な配色やアイコン的存在であるパピヨンの刺繍が施された、ユニークなデザインの数々は一般的なスポーツウェアとは一線を画した華やかなファッション性が魅力。
知らない人から見ればただのジャージなのだけど、素材特有のドレープ感と綺麗なシルエットは唯一無二。
僕も柄やカラー違いで何着も所有しているほどに愛用している。
NEEDLESが好きな人ならトラックジャケットよりもトラックパンツの方が持ってるよという方は結構多いんじゃないかと思う。
実のところ、僕もそうだから。
だがしかし、トラックジャケットも実は超万能に使えるユーティリティウェアなのだ。
例えば、夏から秋にかけては日中は暑くても、朝晩はTシャツ一枚では肌寒い。
そんな気温差がある時には、夏スタイルの上からトラックジャケットを羽織れば、ライトアウターに。
フルジップ仕様のアイテムは着脱がしやすく、とても重宝する。
冬には首元までジップを上げてニットやスウェットのようにレイヤードスタイルに差し込むこともできる。
全部上げてタートルネックのように見せたりするのも良いけど、個人的にはダブルジップ仕様を活かして上下のジップを少しあけて、インナーを見せたりする着方も好き。
ダウンベストを羽織れば、少し90年代っぽいアウトドアスポーツミックススタイルの完成だ。
もちろん、同素材でのセットアップもおすすめ。
足元には革靴を持ってきてあげると、スポーツ感がうまく中和されて一気に大人の上品スタイルに変化。
同カラー、同素材で合わせてもかっこいいけど、別カラーやベロアのトラックパンツで合わせるのもおすすめ。
まとまりがなくなって合わないんじゃないかと思うだろうが、これが不思議とよく馴染む。
ぜひトライしてみてほしい。
店頭に立っていると時折、NEEDLESって派手なイメージがあるから自分には似合わないという声を耳にするが、そんなことはない。
特に今期のボディとサイドラインのカラーコントラストを抑えたダークパープル、ダークブラウン、ブラックの渋いカラーリングは秋冬の服装にも合わせやすく、そうしたこれまでトラックジャケットを着てこなかった人たちにもトライしてもらいやすい。
ちなみに登場から10年以上が経つが、これまで同じカラーリングになったことは一度もない。
似ているカラーがあっても、色味が微妙に違っていたりする。
気になるカラーがあれば、一期一会だと思って早めに手に入れておいて損はない。