機能とミニマルなファッション性を両立するロングコートは、もはや希少種的存在
熱圧着によるシームレスの防水ダウンジャケット、その名も「水沢ダウン MIZUSAWA DOWN」でその名を世界に轟かせているDESCENTE(デサント)。
オリンピック公式ウェアやスキーウェア、消防団のための高度な技術を要するユニホームまでも作っている日本を代表するブランドだ。
デサントにはそのコンセプトによっていくつかのラインがある。
このALLTERRAIN(オルテライン)はデサントにとっても僕たちにとっても特別ラインだ。
オルテラインはall地形という意味のterrainを組み合わせた造語。
普通、ものづくりをするときにはターゲット層を細かく分析するもの。
アパレルの場合は、それが年齢だったり、シーンだったりする。
ところが、このオルテラインにはそれが存在しない。
ターゲット層を固定せず、トレンドに流されず、真のものづくりを追求している。
デザインコンセプトは「Form follows function(デザインは全て機能性に従事したもの)」。
実はこの言葉、建築家ルイス・サリバンが提唱しているのだが、オルテラインのものづくりはどこか建築に似ている。
全てのデザインは単なる装飾ではなく、機能性を伴ったデザインとして完成しているからだ。
装飾としてのデザインは排除され、残るのはシンプルで研ぎ澄まされた機能美。
まさに究極のものづくりというわけ。
HARD SHELL HOODED WOOL COATはボリュームある身幅と長めの着丈で、かなりのゆとりを持たせたオーバーサイズシルエットが特徴。
WOOLとついているが、いわゆるナイロンミックスの「ボンディングウール」なので、とにかく軽い。
デサントが独自開発した2/100で紡がれた柔らかな風合いの17.5マイクロンの極細メリノウールをリサイクルポリエステルとミックスした3レイヤー素材は、ウール本来の深みのある表面感やドレープを保ちつつ、耐水圧も10,000mmと普段使いではまず問題のないスペックの高さ。
すんなり身体に馴染んでくれる柔らかい着心地は普通のハードシェルにはない魅力。
また、胸部分には収納兼ベンチレーションにもなるポケットを配置。
胸のポケット袋がメッシュになっており、ジッパーを開けることで外気を取り込むことが可能。
仕事の外回りや暑い電車内でも快適に過ごすことができる。
「天然のエアコン」こと、メリノウールも表地で使用されていることから、衣服内の空気を積極的に換気する機能性がふんだんに詰め込まれている。
ちなみに胸ポケットを収納として使う際は製品の外側と内側の両方のファスナーからアクセスが可能な構造という親切設計も地味に嬉しい。
ビジネスシーンでも当たり前にダウンジャケットやシェルジャケットが上着として着られるようになった今、よほどお堅い職業でなければスーツの上から羽織ってもOK。
メルトンコートのような重たさもないし、トレンチコートやステンカラーコートにはないモダンな雰囲気が非常にスタイリッシュにうつること間違いなし。
ダウンジャケットやシェルジャケットはカジュアルさが出過ぎるから敬遠している…という方にもオススメ。
オルテラインならではのロングコートは季節問わず愛用したい名品である。