A-2 JACKET - COWHIDE LEATHER|A-2 ジャケット

オリジナルに忠実ながら、NEEDLESらしさも光る傑作

NEPENTHES（ネペンテス）の代表兼デザイナーの清水慶三氏によって、1995年に誕生した「NEEDLES（ニードルズ）」。
NEEDLESというブランド名は、ニードルという言葉の通り衣服を縫製する上で欠かせない「針」という意味も含まれているが、実は“Need-less”＝“必要以上のものはいらない”というダブルミーニングの言葉だったりもする。
ワーク、アメカジ、ネイティブのスタイルを融合させた他には無い独特なデザインと、トレンドに左右されない芯のブレないブランドスタイルで発信し続けている。

著名人の愛用者も国内外問わず多く、海外では世界的ラッパーのASAP Rocky（エイサップ・ロッキー）やBTSのJUNG KOOK（ジョングク）。
国内では自身も公言するほどネペンテスブランドをこよなく愛する俳優の滝藤賢一、シンガーソングライターのあいみょん等、錚々たる顔ぶれが揃う。

A-2ジャケットとは、1931年に米陸軍航空隊（U.S.ARMY AIR FORCE）に正式採用された夏季用フライトジャケットのこと。
大戦期の米軍を代表するフライトジャケットであり、総生産着数は1943年までで約70万着に及んだ。
ボタン式だったそれまでのフライトジャケットに対して、ファスナー式を初採用したことにより機能性が飛躍的に向上。
後のL-2に続くフライトジャケットのスタンダードとなった。
また、終戦後に本来であれば軍へ返却しなければならないはずが、紛失扱いにして持ち帰って自分のモノにしてしまう隊員が続出。
それほどまでにパイロット達にとってA-2ジャケットは、一人前の証であり、誇りであり、宝物のような存在であったと言える。

NEEDLESが制作した名作は適度な光沢と重厚感のあるカウハイドレザーを使用した一着。
オリジナルではホースハイド（馬革）が使われることが多いのだが、カウハイドの方が繊維が詰まっており、強度と耐久性に優れる。
つまり、秋冬の衣類に使うにはぴったりの素材だ。

フロントは比翼式のジッパーフライ。
背面の一枚革、襟元のフック、スナップボタン式のフラットポケットといったように基本的なディティールはオリジナルを踏襲した作り。
オリジナルでもコントラクター（生産を担当したメーカー）によって、台襟があるのとないのとに分かれるが、こちらは台襟ありの仕様。
台襟があることによって襟が立つので、のっぺりとした印象にならない。

リブの色はコントラクターによって茶だったり、赤だったりと様々であるが、このジャケットにはNEEDLESを象徴するパープルが使用されている。
もちろん裏地の色も同様だ。

ミリタリージャケットはラギッドで男臭さの象徴という印象が強いが、このジャケットは土臭さなどは微塵も感じず、それどころかラグジュアリーな雰囲気さえ漂う。
オリジナルをリスペクトしながらも、ヴィンテージの焼き直しなどでは決してない。
この独自性こそが、NEEDLESをNEEDLESたらしめる理由である。

シルエットはワイドすぎない程度にゆったりとしており、中にニットやスウェットなどを着込むことも可能。
タイトフィットで着るとコスプレ感が強く出てしまうので、ファッションとして合わせるのにはこれくらいがベスト。
カジュアルスタイルからコンサバスタイルまで幅広く馴染むので、これ一着で様々な着こなしを楽しめる。
首元にスカーフなどを持ってきて、洗練された大人な印象に仕上げるのも良い。

かつてのパイロットがそうであったように、このジャケットも着る人にとって宝物のような存在となるに違いない。